【東大生が解説】日本人に不足しがちな栄養素と摂るべき食品
こんにちは、東大生ブロガーの西片(プロフィール)です
今回は日本人に不足しがちな栄養素と、欠乏症を回避するために摂取すべき食品を紹介していこうと思います
【最終更新:2021年6月26日 公開:2020年12月5日】
ビタミン
ビタミンは微量でも健康維持に重要な役割を果たす栄養素。その名はラテン語で「生命」を表すvitaと「窒素化合物の一種」を表すamineに由来します
ビタミンは体内で十分な量を合成することができないため、食事から積極的に摂取する必要があります
ビタミンA
目や皮膚の健康維持に貢献
ビタミンAは目の網膜細胞の保護や皮膚の健康に寄与する栄養素
不足すると免疫力が低下したり暗い場所での視力低下などの症状が現れます
特に発展途上国ではビタミンA不足が深刻で、子供が失明する一番の原因となっています
日本でも途上国ほどではないですがビタミンA不足が指摘されており、ほとんどの年代で平均摂取量が必要量を下回っています
厚生労働省によるビタミンAの推定平均必要量は、成人男性は600〜650 μgRAE/日、18 歳以上の成人女性は 450〜 500 μgRAE/日となっています。(RAEはレチノール相当量)
緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変換されるので、ビタミンA不足が気になる方は色の濃い野菜を食べるといいでしょう。
βカロテンを多く含む食品は以下の通りです
- にんじん
- かぼちゃ
- ブロッコリー
- みかん
- すいか
なお、妊娠中にビタミンAを過剰摂取すると奇形児が産まれやすくなります。妊婦の方は取り過ぎに注意してください。
ちなみにβカロテンは多く取りすぎても必要量だけビタミンAに変換されるので、過剰摂取が心配な方はビタミンAを直接摂取するのではなくβカロテンから間接的に摂るのが得策でしょう
ビタミンD
日照時間が不足している方は注意
ビタミンDも現代の日本人が不足しがちな栄養素の一つ。カルシウムやリンの吸収を高めたり、大腸癌のリスクを下げたりする効能があります
ビタミンDは日光を浴びることで体内で生成されるため、屋外で作業することの多い方や低緯度地域(いわゆる南国)にお住まいの方は欠乏しにくい傾向があります
一方で、室内にいる時間が長い方や雪国に居住している方は日射時間が短くビタミンD不足になりがちです。特に子供は外で遊ばなくなってきているのでビタミンD不足が懸念されています
ビタミンDが不足すると骨粗鬆症性や骨折のリスクが高まる等の健康被害があります。
2015年版の食事摂取基準では5.5μg/日でしたが、2020年版では生活の変化を考慮して8.5μg/日に引き上げられました
ビタミンDを多く含む食品は以下の通りです
- サケ
- マグロ
- サバ
- レバー
- 卵黄
- きのこ
ミネラル
近年、日本人のミネラル不足が深刻になってきています。この大きな原因としては、土壌が豊かでなくなり野菜に含まれるミネラルが減ったことが挙げられます。
かつては、食べ物として人間や動物の体内に入った野菜はフンとなって排出され、そのフンを肥料にしていました。そのため栄養素が循環されて土壌中のミネラルが減少しにくかったのです
しかし近年はミネラルを含まない肥料による生育が広く行われているため、野菜に含まれるミネラルが減少しています
文部科学省が作成した日本食品標準成分表によると、ほうれん草に含まれる鉄分は1950年には100gあたり13.0mgでしたが、2015年には2.0mgにまで減少してしまっています。
そのため、ミネラル不足にならないためには以前よりも意識して摂取する必要があります
カルシウム
骨や歯の健康だけじゃない
骨や歯の形成に関わるカルシウム。日本人は特にカルシウム不足が深刻といわれています
カルシウムの不足は骨粗鬆症や成長障害、高血圧や動脈硬化などの症状を引き起こします
また、カルシウムが不足することでイライラしやすくなることも知られています
厚生労働省による一日あたりの推定必要量は、男性(30-49歳)であれば615mg、女性(30-49)は550mgです。性別・年齢によって必要量に差があります
カルシウムを多く含む食品は以下の通りです
- 乳製品
- 大豆製品
- 小魚
- 葉野菜
鉄(特に女性)
不足すると貧血に
特に女性に多く見られるのが鉄分の不足
鉄は赤血球に含まれるヘモグロビンの構成成分のため、鉄分が不足すると貧血になりやすくなります
貧血の他にも、骨・皮膚・粘膜の障害や精神疾患、免役の低下などを引き起こします
厚生労働省による一日あたりの摂取必要量は、男性(30-49歳)は6.5mg、女性(30-49歳、月経なし)は5.5mg、女性(30-49歳、月経あり)は9.0mgとなっています
鉄を多く含む食品は以下の通りです
- 牛肉
- 豚肉
- まぐろ
- レバー
- 小松菜
- 海苔
- パセリ
動物性:ヘム鉄 植物性:非ヘム鉄
亜鉛(特に男性)
男性ホルモンの生成に関与
亜鉛は男性に不足しがちなミネラルで、精子や男性ホルモンのテストステロンの生成に関与しています。
慢性的な亜鉛不足が続くと、勃起障害や味覚障害、爪や皮膚の異常などの症状が現れます
不足する原因としては過剰なダイエットや偏った食事が主ですが、汗や尿とともに排出されるためスポーツ選手は特に注意が必要です
厚生労働省による一日あたりの必要摂取量は、男性(30-49歳)は10mg、女性(30-49歳)は8mg
亜鉛を多く含む食品は以下の通りです
- 牡蠣
- あわび
- たらばがに
- するめ
- 豚レバー
- 牛肉
- 卵
- チーズ
- 高野豆腐
- 納豆
- えんどう豆
- 切干大根
- アーモンド
- 落花生
カリウム
食塩に含まれるナトリウムの排出を促す
日本人に多く見られる病気として高血圧や脳卒中が挙げられますが、これらは塩分の取りすぎが原因と言われています。食塩に含まれるナトリウムの過剰摂取により、血圧の上昇が引き起こされるのです
ナトリウムの取りすぎを防ぐためには減塩することも重要ですが、ナトリウムの排出を促すミネラル・カリウムを積極的に摂取するのも効果的
カリウムを適量摂取することで高血圧や脳卒中のリスクが減らせることが研究により実証されています
厚生労働省による一日あたりの摂取目安量は、男性は2500mg、女性は2000mgとなっています
カリウムを多く含む食品は以下の通りです
- バナナやリンゴなどの果物
- 緑黄色野菜
- いも類
その他
タンパク質
体を作るもとになる
近年、摂取量が激減している栄養素がタンパク質。
戦後、食生活の変化によりタンパク質の摂取量は増加傾向にありましたが、1990年頃を境に急速に減少し今や1950年頃の水準まで落ちてしまいました
タンパク質は臓器や筋肉、皮膚など体を作る材料になる他、免疫機能や神経伝達物質の合成に関与する大事な栄養素です。不足しないよう注意しましょう
- 肉類
- 魚類
- 卵
- 牛乳
- 大豆加工品
参考文献・画像等の出典
厚生労働省『日本人の食事摂取基準』:
日本医事新報社『日本の食生活で不足しがちな栄養分は?【バランスよく栄養分を摂取するために】』:
グリコ『亜鉛不足は怖い!起きる症状や原因を解説します』:
株式会社トリプラック『ミネラルが不足がちの現代人』:
文部科学省『日本食品標準成分表』:
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以上、東大生ブロガーの西方でした
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