現役東大生が東大英語の出題形式を徹底解説
ヤゴコロ研究所に訪問いただきありがとうございます。現役東大生の西片(@nskt_yagokoro)です
「他大学の過去問では高得点取れるけど、東大入試は全く解けない」という方いませんか?
東大英語は問題形式がやや特殊なので、東大の形式に特化した対策が必要になります
そこで今回は出題形式ごとに東大英語の対策方法を紹介していきたいと思います
※数年前に書いた記事をリライトしたものです。古い情報が含まれる可能性があります
東大英語の概要
はじめに東大入試の英語についてざっくり説明したいと思います
英語は東大入試における最終教科で、例年2/26の14:00〜16:00に実施されます
試験時間はリスニングも含めて120分です
配点は文理ともに440点満点中120点(東大2次のみ)でかなりの割合を占めます
そのため、英語の点数が合格を大きく左右するといっても過言ではありません
設問は大問5つから構成されていて、概ね以下のようになっています
- 1A:要約
- 1B:文挿入・段落整序
- 2A:英作文
- 2B:英作文・和文英訳
- 3 :リスニング
- 4A:文法・語法
- 4B:英文和訳
- 5 :長文読解
東大入試の英語は問題量が多いため、よほど英語が得意でない限り時間が余ることはないでしょう
また、大問ごとの分量に大きな差があるので、時間配分が重要になってきます
時間配分をする上で考慮しなければならないのが、試験が開始してから45分後に約30分間行われるリスニングです
リスニング前にどの大問を解くか、リスニングの前読みに何分かけるか、といった戦略を立てた上で試験に臨むの必要があります
出題形式ごとの対策法
続いて出題形式ごとの対策法や本番での時間配分について詳しく説明していきたいと思います
なお、配点については大学が公表していないため、予備校による推定値を掲載します。
要約問題の対策
要約問題は300〜400wordsの英文を60〜100字の日本語に要約する問題です。例年、始めの問題として出題されます
近年は英文が長めになってきており、難易度は上昇傾向にあります
東大英語の要約問題は他大学の要約問題に比べて字数制限が厳しいのが特徴です
そのため文章の趣旨を迅速に掴み、いかにコンパクトにまとめるかが重要になってきます
要約問題を解く上でのコツは、筆者が一番伝えたいことは何かを意識しながら解答を作成すること
解答欄が小さいので無駄なことは一切書かず、最も重要なことのみを解答に含めるよう努めましょう
筆者の主張さえしっかり要約すれば満点を狙うことも可能ですが、論点を外して解答を作成すると全く点数がもらえません
過去問や模試問を活用して、要点の取捨選択や解答のまとめ方を学習するといいでしょう
オススメの参考書は以下の2つです
配点は10点程度、時間配分の目安は10分程度です。
対策すれば高得点を取りやすい分野なので、解き忘れしないよう始めに解くのがいいと思います
文挿入・段落整序の対策
大問1のBで出題されるのが「文挿入・段落整序」です
長文の欠けている部分に合う文を選択する文挿入問題か、文意が通るように段落を並び替える問題のいずれかが出題されます
本文と選択肢合わせて800words程度で基本的に選択式です。(一部記述あり)
この問題は解くのに時間がかかる割に配点が少なく、非常にコスパが悪い
さらに多くが選択問題なのでせっかく時間をかけて解いても外したら部分点すら貰えません
そこで、答えを適当にマークして次の問題に移るのが最善だと思います
上記で述べたように東大英語は時間が少ないので効率よく点が取れる他の問題に時間を割くのがいいでしょう
時間に余裕のある人向けに解き方を簡単に説明すると、指示語(it, theyなど)や序列表現(first, finallyなど)に着目すると文の前後関係がわかりやすくなり、はやく解けると思います
この手の問題を扱っている問題集は少ないですが、もし対策するのであれば『東京大学英語 段落整序』に取り組むといいでしょう
配点は10点、時間配分の目安は0〜10分程度です
英作文
例年、大問2で出題されるのが英作文です
書くべき英文の長さは60words程度で決して長くはありません
2017年度以前は自由英作文が2問出題されていましたが、近年は1問のみの出題となっています
問題形式は「テーマに沿って自由に英文を書く」というものなのですが、毎年難しいテーマが出題されます
「いま試験を受けているキャンパスに関して気づいたことを述べよ」「『ジュリアス・シーザ ー』からの引用を読んで思うことを書け」といった書きづらいテーマが出題されるため、悩んでしまう人も多いと思います
しかし、東大入試の英語は時間に余裕がないので、あまり深く考えずに素早く解答するように心がけましょう
また、東大の英作文は減点方式で採点します。そのため、中学生でも書けるような簡単な英文でも字数制限内に文法の誤りなく書ければ満点を取ることができます
対策すれば得点源になりやすいので問題集を活用して演習しておきましょう
『ドラゴン・イングリッシュ』や『竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本』などで英作文に頻出の表現を覚えておくとスムーズに解答できるようになると思います
配点は1問15点、時間配分の目安は1問10分程度です
和文英訳
1997年度入試を最後に出題されていなかった和文英訳が2018年度に復活し、2019年度入試でも出題されました
2年連続で出題されたことから、今後も出題される可能性は極めて高いと言えます
約20年振りの出題ということで過去問が少ないので、他大学の過去問で演習するのがいいでしょう
京大ではほぼ毎年和文英訳が出題されていて、難易度も東大に近いので京大の過去問で練習することをオススメします
配点は1問15点、時間配分の目安は1問10分程度です
リスニング
大問3で出題されるのがリスニングです
2次試験でリスニングを課す大学が少ないため、普通の高校ではほとんどリスニング対策をしてくれません
そのため、リスニングを苦手意識を持ち、嫌厭する人も多いと思います
しかし、東大合格者の多くはリスニングでしっかり点を稼いでいます
他の受験生に差をつけられないためにもリスニングの対策は十分に行うべきです
東大英語のリスニングはABCの3つに分かれていて、それぞれ設問が5つずつあります
全てマーク式で選択肢も4つしかない(2018年度は5つ)ので比較的満点が取りやすいです
よく「東大のリスニングは文章が長いから難しい」という声を聞きますが、むしろ文が長い分、多少聞き逃しても話の流れで正解を導けるケースが多いので慣れれば簡単だと思います
東大入試ではリスニングは試験が開始してから45分後に行われます
放送が始まる少し前に設問や選択肢に目を通し、キーワードになりそうな箇所に丸をつけておくことをオススメします
対策法はやはり問題を解きまくること。
過去問や模試問の他に『キムタツの東大英語リスニング』などで演習を積むといいでしょう
ある程度慣れてきたら1.25倍速にしてみたり、わざと雑音を流したりして練習しておくと、本番で予想外のハプニングが起きた時に対応できるのでオススメです
文法・語法
大問4の前半で出題されることが多いのが「文法・語法」の問題です
この設問ははっきり言ってかなり難しいです
この手の知識問題は覚えていなければ悩んでも答えが出ないので、時間をかけずに解答するようにしましょう
文法・語法問題は個別に対策する必要はないと思います(センター試験で9割取れる程度の知識があれば十分です)
配点は5点、時間配分の目安は5〜10分です
英文和訳
大問4の後半で出題されるのが「英文和訳」です
近年は分量が少なく難易度も低いため、慎重に和訳すれば高得点が狙えます
「慎重に和訳」というのは飛躍した意訳は避けたり、代名詞の指す語句は何か明確にして訳したりすることです
なるべく減点されないような解答作りに努めましょう
配点は10点、時間配分の目安は10分です
長文読解
ラストは長文読解。1000字近い長文が出題されることもあり、かなりのボリュームです
東大入試の長文読解の特徴は物語・小説が出題されること
他大学の入試や一般的な模試では評論ばかり出題されるため、東大入試の長文は読みづらいと感じる人が多いと思います
評論だと事実に基づいているので予備知識で読解を補うことも可能なのですが、物語や小説はそうはいきません
また、物語・小説には筆者独特の比喩表現があったり、多くの登場人物が出てきたりと受験生を混乱させる要素がいくつもあります
これには慣れるしかないので過去問・模試問で演習しましょう
配点は25点、時間配分の目安は25〜30分です
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終わりに
東大の英語は問題量の割に時間が短く、それが多くの受験生を苦しめる要因となっています
しかし難しい単語は比較的少なく、難関私大と比べれば難易度は決して高くないと思います
しっかり対策すれば大幅な得点UPも望める教科なので十分に演習した上で本番に臨みましょう
参考書の詳しい紹介は以下の記事を参考にしてください
本ブログ「ヤゴコロ研究所」では受験に関する記事を多数公開しています。興味のある方は以下のリンクからご覧ください
以上、現役東大生の西片(@nskt_yagokoro)でした!