【技術者が解説】LANケーブルの正しい選び方とは?カテゴリやおすすめを解説
家のネットが遅いとストレスですよね。
そう思ってWi-Fiルーターやパソコンを新しくても、速度は向上しないかもしれません。
なぜなら、LANケーブルのスペックが低い可能性があるからです。
正しいスペックを選ぶことができれば、1本のLANケーブルで速度が劇的に改善することもあります。
僕はネットワークの構築や修理をするエンジニアです。法人企業にLAN工事なども行っています。
そこでこの記事では、これまでの経験から得た知識を踏まえてLANケーブルの選び方、おすすめを解説します。
これを読めば、自宅のネットを環境を改善できる可能性が高いかもです。
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【結論】LANケーブルは「CAT6」を選ぼう
先に結論から申し上げます。
LANケーブルは「CAT6」選びましょう。
その理由は次の4つ。
- CAT6よりハイスペックは意味がない
- 「RJ-45」「UTP」のケーブルである
- 広帯域なのでゲームや高画質動画も快適
- CAT7やCAT8より安い
これについては、のちほど詳しく解説します。
その前に簡単ではありますが「LANケーブルとはなんぞや?」について説明します。
LANケーブルとは?
LANケーブルとは、インターネットに接続するための通信ケーブルのこと。
以下の写真のようなケーブルです。
通信には、さまざまなケーブルを利用します。たとえば電話には電話線、電気には電源ケーブル、映像にはHDMIケーブルなど。
それとおなじでインターネットには「LANケーブル」を使います。
通信 | 使用ケーブル |
---|---|
電話 | 電話線 |
電気 | 電源ケーブル |
映像 | HDMIケーブル |
インターネット | LANケーブル |
無線LAN(Wi-Fi)接続でもLANケーブルは使う
最近では「無線LAN(Wi-Fi)」を使う機会も増えてきました。
「無線LAN(Wi-Fi)」とは、LANケーブルの代わりに電波を使ってインターネットに接続する方法です。
なのでインターネットには、
・有線接続(LANケーブル)
・無線接続(Wi-Fi)
の2つがあるんですね。
モバイルルーターやホームルーターのような4G、5G回線の場合は、LANケーブルは使いません。
しかし、光回線では、たとえWi-Fi接続であっても、以下のようにルーター付近でLANケーブルが使われているケースが圧倒的です。
この場合、すべての通信はLANケーブルを経由するため、LANケーブルの状態によってはインターネットの速度が遅くなることがあります。
LANケーブルには「カテゴリ」がある
LANケーブルには「カテゴリ」があります。
カテゴリによって、通信速度、伝送帯域、コネクタ形状、ケーブル特性が異なります。
各カテゴリーを一覧表にまとめました。
CAT5 | CAT5e | CAT6 | CAT6A | CAT7 | CAT7A | CAT8 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
通信速度 | 100Mbps | 1Gbps | 1Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 10Gbps | 40Gbps |
伝送帯域 | 100MHz | 100MHz | 250MHz | 500MHz | 600MHz | 1000MHz | 2000MHz |
コネクタ | RJ-45 | RJ-45 | RJ-45 | RJ-45 | TERA ARG-45 GG-45 | TERA ARG-45 GG-45 | RJ-45 |
ケーブル | UTP | UTP | UTP | UTP/STP | STP | STP | STP |
- 通信速度…インターネットの速度。単位はbpsで表す。
- 伝送帯域…最高周波数と最低周波数の差のこと。伝送幅が広いほど短い時間で多くのデータが送れる。
- コネクタ…先端の形状のこと。家庭用ではRJ-45を使用する。
- ケーブル…一般的にUTPが使われる。STPはノイズ耐性があるがアースを処理が必要。
どのカテゴリのLANケーブルを使用するかによって、速度が違うことがわかると思います。
LANケーブルカテゴリの見分け方
では、自宅のLANケーブルのカテゴリはどうやったらわかるのか?
それは、とても簡単。以下のようにLANケーブルに表記されています。
写真の場合は、CAT5Eのケーブルです。このようにLANケーブルを見ればわかります。
もし記載されていない場合でも型番が書かれているので、その型番をネットで「型番 カテゴリ」と調べれば確認できます。
LANケーブルの選び方
ではここからは、LANケーブルの選び方について解説します。
LANケーブルの選び方として、大事なポイントは以下の5つです。
1つずつ解説します。
カテゴリ
1つ目は、カテゴリ。
先ほどもお伝えしましたが、カテゴリによって通信速度が異なります。
CAT5の場合は100Mbps。
CAT6の場合は1Gbps。
その差は10倍です。
LANケーブルを選ぶ際は、カテゴリを意識して選びましょう。
長さ
2つ目はLANケーブルの長さ。
自宅の環境に合わせて最適なLANケーブルを選ぶ必要があります。
選ぶ際は、予定よりも少し長めのケーブルを購入しましょう。
長い場合は、巻けばどうにでもなりますが、足りない場合は、機器を移動させるか新たに購入しないといけません。
どのくらいの長さが必要なのかを事前に調べて選ぶようにしましょう。
タイプ
3つ目はタイプ。
LANケーブルには
・ストレートケーブル
・クロスケーブル
という2種類が存在します。
家電量販店やネットで購入するときに
「どっちを買えばいいの?」
と迷ってしまうしまうことがあります。
結論、どっちでもいいです。
どちらを選んでも良いのですが、基本的にはストレートケーブルを選ぶのがおすすめ。
ストレートケーブル…PCと通信機器をつなぐときに使う。
クロスケーブル…PCとPC、ルーターとルーターをつなぐときに使う。
昔は、環境に応じてストレートケーブルとクロスケーブルを使い分けてたんですね。
しかし、最近の機器にはすべて自動判別機能(AutoMDI/MDI-X)があるので、どっちのケーブルでも使えるようになっています。
基本どっちでもいいですが、迷ったときにはストレートケーブルを選びましょう。
構造
4つ目は構造。
LANケーブルには
・単線
・より線
という2種類の構造があります。
LANケーブルは、8つの銅線で作られているですね。
その銅線の構造が単線とより線では異なります。
単線…8つの銅線が1本の太い銅線で作られている。
より線…8つの銅線が7本の細い銅線で作られている。
銅線の構造によって特徴に違いがあります。
単線 | ノイズ耐性が強く、硬い。15m以上におすすめ。 |
---|---|
より線 | ノイズ耐性は弱いが、柔らかいため配線が楽。15m以下におすすめ。 |
そのため、15m以上のケーブルに関しては、ノイズ耐性の強い「単線」。
15m以下のケーブルに関しては、狭い場所でも配線しやすい「より線」。
このように使い分けてLANケーブルを選びましょう。
「CAT6」がおすすめな4つの理由
では、「CAT6」がおすすめなのか?
その理由は以下の4つです。
CAT6よりハイスペックは意味がない
1つ目の理由は、CAT6より上位のカテゴリを選んでも速度向上に効果がないから。
CAT6A~CAT8までの通信速度は10GB以上あります。
これだけ見ると「CAT6AとかCAT7の方がいいんじゃない?」と思うかもしれません。
しかし、それだけの速度を出そうと思ったら、ルーターやパソコンなどの周辺機器もすべて10GB以上のスペックに対応している必要があります。
現状、光回線やルーターなどの最大速度は、1Gbpsがほとんど。
つまり、LANケーブルだけ高性能なものを用意しても意味がないということです。
カテゴリが高くなるほど金額も高くなりますし、その点を考慮すればCAT6がベスト。
これが1つ目の理由です。
「RJ-45」「UTP」のケーブルである
2つ目の理由は、コネクタとケーブルのタイプが「RJ-45」「UTP」だからです。
家庭用のLANケーブルは「RJ-45」でないと他の機器と接続できません。
また、ケーブルタイプがUTPよりもSTPの方が速度を低下させるノイズへの耐性は強くなります。
しかし、STPケーブルは別途アースを設ける必要があるので家庭用には不向きです。
しかし、CAT6の場合は「RJ-45」「UTP」のタイプしかないので購入ミスもありません。
このような観点からもCAT6のLANケーブルがおすすめ。
これが2つ目の理由です。
広帯域のためゲームや高画質動画も快適
3つ目の理由は、CAT5eよりも広帯域だから。
CAT5eとCAT6の通信速度は同じ1Gbps。
しかし、両者には大きな違いがあります。
それは「帯域」と呼ばれるもの。
CAT6の帯域は「250MHz」とCAT5eの「100MHz」に比べ2.5倍広いです。
そのため、短い時間でより多くのデータを送ることができるんですね。
通信速度と帯域は車の交通で例えることができます。 通信速度は「制限速度」。 CAT5eもCAT6も制限速度100kmの道路だと仮定すると、スイスイと走ることができそうなイメージがありますよね? 大型連休になるといくら高速道路とはいえ渋滞が起きてしまいます。 じゃあどうやって渋滞を解消するのか? 交通量が多くても車線数が多ければ、今まで30kmのスピードでしか走れなかった道でも60kmで走れるようになりますよね。
帯域は「車線数」ですね。
それが車線数を増やす(帯域を広くする)ことです。
このように帯域は、通信速度を低下させないため役割を持っています。
データ量の多い通信といえば
・Web会議
・オンラインゲーム
・高画質動画(Amazonプライム、Netflix)
といったものがあります。
しかし、帯域が広いCAT6であれば渋滞が起きやすいシーンでも快適な通信を行うことできます。
これが3つ目の理由です。
ハイスペックなケーブルよりも金額が安い
最後の4つ目の理由は、CAT6の方がCAT6A〜CAT8のケーブルよりコスパが良いから。
CAT7とかCAT8を選ぶと、その値段も1.5〜2倍ぐらい高くなります。
かといって、CAT6よりも目に見えて速度が上がる訳でもありません。
スペックとコスト双方の視点から考えてもCAT6がおすすめ。
これが4つ目の理由です。
おすすめのCAT6LANケーブル【環境別】
ここからは、CAT6Aの中でもおすすめのLANケーブルを紹介します。
紹介するのはつぎの4つのタイプ。
ご自宅の環境に合わせて、商品を選んでください。
標準タイプ
「CAT6であれば形状はなんでもいいよ」という方は標準的なケーブルがおすすめ。
LANケーブルは、抜き差しを繰り返すと爪が折れてしまいがちです。
ですが、最近は爪が折れない素材を使ったケーブルや爪がカバーされたケーブルが販売されています。
このあたりのケーブルを選んでおけば間違いありません。
カーペットの下でも浮かない「フラットタイプ」
カーペットの下にLANケーブルを配線する場合、丸型のケーブルだと浮いてしまいますよね。
そんなときはフラットタイプがおすすめ。フラットタイプは高さがないため、カーペットや絨毯の下でも浮く上がることなく目立ちません。
狭い場所でも配線が楽チンな「やわらか素材」
狭い場所や角度が急な配線の場合はやわらか素材がおすすめ。曲げたり、小さくまとめたりなど取り回しが簡単です。
ペットが噛んでも断線しにくい「外皮金属ケーブル」
犬や猫を飼っている方は、ケーブル類を噛まれる心配があるのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが外皮金属ケーブル。
これは、LANケーブルの周りを金属の外皮で覆っているんですね。
そのため、ペットに噛まれても断線しにくい設計となっています。
ご紹介するLANケーブルはCAT6ではなく、CAT6Aですが、品質にはなんら問題はありません。
ペットが噛みそうな場所だけでも、このLANケーブルを使っておけば安心です。
【注意点】LANケーブルはすべて同じカテゴリで統一しよう
1つ注意点です。
LANケーブルを交換する際は、自宅内のLANケーブルをすべて同じカテゴリで統一しましょう。
なぜなら、1本でも低いスペックのLANケーブルがあると、そこを経由する端末のスピードは上がらないから。
それはいわば「ほとんどの道は3車線なのに、途中から1車線になって渋滞してしまう」ような状況です。
LANケーブルを購入する際は、すべて同じカテゴリで合わせましょう。
まとめ
LANケーブルの選び方とおすすめを紹介しました。
おすすめはCAT6です。
インターネットが遅いと悩んでいる方は、以下の記事で詳しく解説しています。
ぜひ、参考にしてください。